我が楽団にロゴを作ろう!(団員専用)
事務局長 丸山 啓介
杏林大学 脳神経外科
杏林大学 脳神経外科
2019年7月のこと。
このホームページのサイト引っ越し作業をしていた時、Wixというサイトで無料でロゴが作成できるコーナーを見つけた。
AIが自動的に作ってくれるということで、面白そうである。
まず、他のオケはどんなロゴを使っているのか調べてみた。
まずは本家ヨーロッパ。
さすが、なかなかおしゃれなものが多い。
アメリカはというと、ビッグ5を中心にこんな感じ。
ヨーロッパに比べると意外と地味なものが多い印象。
国内はこんな感じ。日本語を入れると、どうもダサくなるのが否めない。
アマオケも見てみる。放射線治療医によるJASTRO オケはうまいことやっている。
自分が過去に所属していたオケも、思い出に浸りつつ振り返ってみた。フライハイト響はゲヴァントハウスを真似たかな?
自分としては前からウィーンフィルのものが気に入っており、他のものを見てもそれを上回る候補はない。これに似たようなものを頭に思い描いておいて、サイトの指示にしたがってまず文字を入れる。ウィーンフィルにならってオケの名称と創立年にしよう。次いで業界名を入力。次いでどんなロゴが好みか、選択する画面がいくつか出た。
すると、AIによって(本当か?)ひとまず以下のようなロゴ案が自動的に生成された。
いずれも訴えてくるものがなく今一である。
なぜかと見てみると、メインとなるシンボルマークが抽象的で、意味合いがはっきりしない。
シンボルマークを自分で選ぶこともできるようだったので、見てみると、一つだけ良さそうなものを発見した。
我々のオケのイニシャルであるM、N、Cをモチーフに、脳と音楽(ト音記号、ヘ音記号)の調和をイメージしたようなデザインである。脳の冠状断の脳室と海馬に見えなくもない。
ひとまずシンボルマークをこれに変えてみた。
そして構成や色合い、文字など全体的にウィーンフィルを参考に修正した。
出来上がったロゴは無料でも使えるが解像度が低く、高解像度のものを使うには料金を払え、と表示される。無料と謳っておきながらここでお金を取る魂胆だったのか。よくあるやり方である。
お金を取られるのがしゃくなので、特に著作権というものも発生していないことを確認して、自動作成版を元にして自分で同じものをパワーポイントで作ってみた。色合いもフォトショップでグラデーションを入れてみた。これなら無料である。
サイト自動作成版
自作第1案
これでも良さそうだが、せっかくなので我々の領域である脳をデザインに入れたものも考えてみようか。
我々は脳と音楽の両立がテーマなので、ト音記号やへ音記号で脳をかたどったものをやはりパワーポイントでデザインしてみた。
うーん、やはりデザインのプロではないので素人感が満載である。
プロのデザイナーに頼んだらどうなるのか。一度見積もりを取ってみることにする。
ある業者A社はいくつか図案を作ってくれ、採用時に3万円を支払えばよいという(この図を見せるためにこのページは団員限定とした。別に公開の場合は要削除)。
悪くはないが、どうも決め手に欠ける。
別の業者の見積もりも来た。 B社は10万円、C社は24万円。どうしようかしばし悩む。
デザインにはやはり脳のデザインが命なのではないか。「脳」「デザイン」でググってみる。
脳は正確である必要はなく、雰囲気が伝わればよさそうである。
先の自作のデザインは、脳回をフリーハンドで書いた部分が素人っぽさを醸し出しているので、試しに音楽記号だけで作ってみたらどうなるか。オケのイニシャルもちりばめてみる。
ハ音記号を入れないとビオラの人が機嫌を悪くするかもしれない。ただでさえメンバーが少ないのにやめてしまわれては困る。
MNCが音楽記号だけでできた時は嬉しかった(最終的に使わなかったので残念。。。)。
メンバーにも相談してみたところ、音楽だから右脳がいいんじゃないかという意見もいただいた。
どうもしっくりこない。左脳の方が良さそうである。
いろいろとてんこ盛りにすると、ゴチャゴチャしてしまう。
バランスや角度などを何度か微調整。
自作第2案
自作第1案
それなりに納得がいくものになったのではないか。
第1案と、第2案について、どちらも良さそうで、自分としても決めきれない。
パートリーダーに聞いてみることにした。
結果は、第1案が4票、第2案が5票と伯仲した。
これでは決められないので、団員の投票で決めることにした。
その結果と感想は以下の通り。どちらも素敵という意見もいただいた。
自作第1案
感想:洗練されている
徹底して美しさや重厚さにこだわっている
落ち着く
ウィーンフィルっぽくて良い
自作第2案
感想:わかりやすい
脳も音楽もシンプルに伝えている
優しさを感じる
結果、こちらを採用することに決定した。団員の総意で決めることができたのも結果的には良かった。結成30年以上たってようやくロゴを制定することができて感無量である。使ったソフトもパワポとフォトショのみなので作成料金も無料である(ダジャレ)。思い返してみると創立30周年のタイミングで記念事業の一つとして制定できると良かったのだが、当時は記念演奏会や記念誌の準備でそこまで気が回らなかった。
せっかくロゴが決まったので、ホームページで使うだけではもったいない。いろいろとグッズを作ることにした。演奏の際に着用するバッジ、楽器ケースに貼るステッカー、合宿の時に着るTシャツ、普段使いのマグカップやタオルなどを作ることに。希望を募ると、多くの団員に購入していただき、中には1万円以上の爆買いをしたメンバーも(笑)。デザインを手がけた者としては大変満足している。
(2020年10月)